【野球賭博】戦時中のプロ野球は八百長だらけだった? 【球界の闇】

違法賭博

八王子市にある東京造形大の学長、山際康之さん(58)=墨田区在住=が、戦前、職業野球と呼ばれて誕生したプロ野球で、戦時下にはびこった野球賭博や八百長を取り上げた著書「八百長リーグ」(角川書店)を出版しました。山際さんは「不祥事は管理する組織にも構造的な問題があった」と指摘。近年のスポーツ界でも不祥事が相次いでおり、背景にある組織運営に警鐘を発した作品になっています

「八百長リーグ」の舞台は戦地に散った非運のエース、沢村栄治らが活躍した時代と重なります。事件とともに戦時下をスポーツの視点からも掘り下げている内容です。

山際さんはソニーの元技術者で、カセットテープ時代の携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」の開発にも関わった方です。東京大大学院で博士号を取得し、ソニー時代から東京大で講義をする機会があり、2005年、東京造形大に入り、17年春から学長を務めています。4年前からはノンフィクション作家としても活動しています。

戦前のプロ野球は、1936年、7球団が参加して日本職業野球連盟が発足、リーグ戦を開催。1939年には日本野球連盟と改称、太平洋戦争の戦局悪化に伴い1944年に中止されるまで公式戦が行われました。

同書では、公式戦で野球賭博が広がり、試合の結果を予想する雑誌も登場した当時の状況を取り上げ、はびこる野球賭博に、1942年に兵庫県警が摘発に乗り出したことを指摘。賭博関係者らから選手に「今度の試合に手加減してくれ」と魔手が伸び、誘いに乗る選手らの様子を具体的に説明しています

取り込まれた選手は、何でもないゴロをエラーに見せて得点を献上したことや、当時の新聞などが不可解なプレーに対して、「頭脳的失策(エラー)」と皮肉たっぷりに表現していたことも紹介。警察も選手に疑いを深め内偵捜査に着手し、球団側は疑惑の選手を次々と解雇して追放、落着を図ったことも描いています。

山際さんは「戦時中であり、『将来のことは分からない』と金のあるときに少しでも遊んでおこうと心掛けの良くない人が出たのかもしれない」と八百長に走った選手の胸中を察しています。

一方で「大相撲やアメフトなど近年スポーツ界では不祥事が続く。管理する組織の不正を浄化する機能が低下し、構造的な不祥事の連鎖を呼んでいる」と指摘。「この書は現在のスポーツ界の組織運営への警鐘と、東京五輪・パラリンピックに向けてスポーツの健全な姿を願う作品です」と訴えているようです。

引用元:東京新聞